PSVitaが出たのが2011年、ずっとPSの携帯ゲーム機って出ていなかったんですが、とうとう出ましたPlayStation Portal。発売日に実は購入していたので今回満を持してのレビューとなります。
ちなみに発売日は2023年で、どうして今更レビューするかというと、買った当初PS5を持っていなかったんですよね。なので一応出オチみたいな感じで動画は撮ったんですけど、もちろん何もできないのでそのまま寝かせていました。
しかし今回、なんと遊べるようになりました!
ちなみにPS5はまだ買っていないので、最小限環境でのPS Portalプレイとなります。そんな人滅多にいないとは思いますが、参考にしてみてください。
販売ストア
・Amazon
購入時点では約3万円だったんですが、2024年9月2日、3.5万円に値上げしていました。
動画版
スペック&主な特徴
PlayStation Portal リモートプレーヤーとは
PlayStation Portalは、2023年11月15日にソニー・インタラクティブエンタテインメントが発売したPS5のリモートプレイ専用デバイスです。PS5本体とWi-Fi経由で接続し、リモートプレイを快適に楽しめるよう設計されています。
デザインは8インチの液晶ディスプレイを中央に配置し、左右にDualSenseコントローラーを統合した形状。ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーにも対応し、PS5と同じ操作感を実現しています。
ディスプレイは1080P/60HzのLCDを採用。Wi-Fi 接続には最低5Mbpsの通信速度が必要。3.5mmイヤホンジャックを搭載する一方で、Bluetoothには対応せず、ワイヤレス接続はソニー独自の「PlayStation Link」のみ利用可能。
重量は約529gで、外出先に携帯するためのハードというよりは家庭内でPS5を占有せずに遊びたい場合や、寝室・リビングなど場所を選ばずプレイしたいユーザーに向けたハード。
今回レビューを改めてしようと思ったのが、2024年末にPS Portalがストリーミングサービスに対応し、PS5を所有していなくても、月額のサブスクに加入すると遊べるようになったんですよね。これにより、ようやく試せるようになりました。
ちなみに最近GEOでPS5のレンタルサービスが始まりました。7泊8日で980円と、かなりリーズナブルでそれで試すのもあり・・・なんですが、全く予約が取れなかったので諦めています。買えよという話なんですけれども。
開封&内容物
では今更、というか振り返りみたいな感じにはなりますが、開封から見ていきます。

パッケージはしっかりとオフィシャル感のある佇まい、そして箱自体はかなり大きめです。しっかりと保護されるような梱包となっています。画面も大きいですしね。

内容物はこちら。説明書、本体です。超シンプルですね。
本体外観
ファーストインプレッション

最初箱から出した印象は、これがPS5か〜という気持ち。まぁPS5そのものではないんですけど、いわゆる最新ハードで、しかもコントローラー自体はPS5のデュアルセンスを踏襲しているので、実質触った感触としてはPS5と言ってもいいでしょう。いいのか?

正直質感はやはりかなりハイレベル。まぁソニーですし当たり前なんですけどね。コントローラーグリップはしっかりと握れる感じでありながらも、プラスチックシェル自体の高品質さを感じますし、
何よりみてくださいこれ。グリップ部分はいわゆる滑り止めの粒々としたテクスチャになっているんですが、カメラを近づけてマクロでよくみてみると、いわゆるプレステ的な記号、○△×◻︎が敷き詰められたテクスチャとなっています。なんだこれ。やりすぎだろ。
これによりかなり独特な手触りになっており、気持ち良いです。
ちなみにこのテクスチャはグリップの背面部分にのみ採用されています。
あと電源が付くと、ボタンとスティックの間の溝の部分がぼんやりと青で明るくなります。かっこいいですね。気になる人は設定からオフにできます。
ボタンレイアウト・インターフェイス

ボタンレイアウトは右に○△×◻︎、オプションボタン、ミュートボタン、下にアナログスティック、
左側にD-Pad、クリエイトボタン、PSボタン、下にアナログスティック。
基本的にはデュアルセンスと同じ仕様なようで、デュアルセンスをぶった斬って、間にタブレットを詰め込んだようなデザインとなっています。正直初めて発表CGを見た時は、どうかしてるって思いました。しかし今となっては見慣れたもんです。

背面には特に何もなし、バックボタンなどもありません。

上側面には左からL1L2、電源ボタン、PlayStation Linkボタン、音量ボタン、R1R2。画面側にはスピーカーが左右にあります。
下側面にはUSB-Cと3.5mmイヤホンジャックがあります。
画面の厚み、最薄部分が約7mmとかなり小さいので、端末としては小さいのか大きいのかよくわからない感覚です。ボリューム感は大きいんだけれど、しかしスマートに感じるという。まぁですが、これはさまざまなUMPCハンドヘルドを触ってきているからかもしれません。
あとUSB-C端子がかなり奥まった場所にあるので、上側面にも付けてもらえたらもっと充電しやすかったのにな、と思います。まぁしかし、この画面の裏側にしっかりと隠れる感じはSONYの美学を感じますね。

左右側面には特に何もありません。
前面シェルと背面シェルの噛み合いはもちろん綺麗です。
他ハードとの比較
SteamDeckとの比較

ボリューム感的にはSteamDeckと同等。フォルムやコントローラーの作りが全く違うのでまた違ったハードに感じはしますが、案外手に持った印象は近しいものを感じます。コントローラーが上に集結していて大画面といった点がそう感じさせるのでしょうか。
Nintendo Switchとの比較

Switchと比べるとかなりのビッグサイズに感じます。しかし持ち運びをほとんど想定していないハードなので、納得のサイズ感でもあります。
操作感
グリップ感・重量バランス

重量は530グラム。重量の割には重さを感じず、不思議な感じです。外部コントローラーのようにしっかりと握れる上、重量バランスもかなり良く、背面のザラっとしたテクスチャもいい感じで、満遍なく手に負荷がかかる感じ。
流石に長時間遊んでいれば疲れるとは思いますが、よく考えられていてかなり良いと思います。
そしてこの端末は実質的に8インチタブレット+コントローラーのような構成なので、それを考慮するとかなり軽く抑えられているんじゃないでしょうか。
ボタン・スティック
基本的にはデュアルセンスと同じコントローラー仕様だとは思いますが、当方所持していないので、新鮮な気持ちで触っていきます。

○△×◻︎ボタンはツルッとしたクリアで、奥側に印字があるタイプ。割とフラット寄りな形状。PS!って感じがしますね。
押し心地は基本的にスタンダードなコントローラーといった感じで、メンブレンのラバードーム感触。遊び少なめ、戻りも良い感じです。かなり反発がしっかりしている感じで、ラバーではありながらもクリック感が強めです。
オプションボタンPSボタンなどはラバーの感触強めなタクトスイッチで、静音性が高めなプチプチ感です。そこまで頻繁に使用するもの、誤入力を防ぐためかもしれませんが、右側にあるミュートボタンはかなり押しにくい感じです。

D-Padは上下左右部分だけが出ているPSならではの形状です。クリアで、奥側に印字があるタイプ。
押し心地はこちらもメンブレンのラバードーム感触。シーソー可能で、ボタンと比べて静音性が高めです。
アナログスティックは、最近流行りの棒部分が金属のものではないですが、結構滑らかです。XBOXコントローラーと違ってなんかこう、グリングリンとするんですよね。スティック(軸)部分が結構細く、倒れ角度が大きいような感覚です。
スティックトップはフチがザラっとしていて、中央部分が僅かに凸型になっている形状。スティック仕様もPSらしいですね。

ショルダーボタンもL1R1はメンブレンのラバーで、軽め、結構鳴りが大きめのタイプ。
L2R2はストロークの長いトリガーです。若干重たいかな?といった印象。もちろんトリガーストップはありません。
全体的に、慣れ親しんだ伝統的なPSコントローラーといった印象を受けました。やはりテクスチャの独特な気持ち良さが新鮮味を一番強く感じる点ですね。
画面・スピーカー
画面サイズ・解像度

ディスプレイは8インチの1080Pで、ハンドヘルド機としてもかなり大きな部類。SteamDeck OLEDが7.4インチですからね。
コントローラー一体型というよりはディスプレイが独立しているような作りなので、かなり独特な見え方です。画面に対する没入感がかなり強く、よく考えられているなぁと思います。
ベゼルも小さめで良さげですが、コントローラー部分との隙間にほこりや汚れがたまりやすいのが気になります。
解像度も8インチで1080Pでは小さいように感じますが、実際に使ってみるとドット感も特に感じず、十分だと思います。
明るさ・発色
画面輝度も大きく、かなり明るめです。発色に関しては液晶ではあるものの、鮮やかで良いと思います。
スピーカー
やはりソニー、音に関してはかなり具合良いです。スピーカーはフロントスピーカーではなく、ディスプレイ上部側面に搭載されているものなのですが、そこまで違和感もなく、かなりステレオ感の広がりがあるサウンドで、全音域バランス良く聴こえるような良いスピーカーです。
低音が若干僅かに弱いような気がしますが、SteamDeckなどと比べても負けず劣らずな良いクオリティです。
イヤホンジャックが搭載されているので有線の人は有線接続で使えますが、Bluetoothイヤホンには対応しておらず、専用のPlayStation Linkに対応したヘッドセットやイヤホンが必要です。ちなみに対応しているPULSE Explore ワイヤレスイヤホンは3万円です。
使用感
PS5を使わずに遊ぶ

起動するとWifi接続なりアップデートなりログインなどが行われて、すべて終わると、早速PS5に接続してください!という画面が表示されます。
しかしなんと私、PS5を所有しておりません。なので買った当初はガチで何もできませんでした。なんで買ったし・・・。

しかし今回レビューするにあたって・・・PS5を買ってないんですけど遊べるようになりました。
というのも、サブスクのPlayStation Plusに含まれるクラウドストリーミングに2024年11月20日に対応したんですよね。現状ベータ版ではありますが。
ストリーミングプレイをするには月額1550円のプレミアムプランに入らないといけません。
試せるようになったのであれば試したいなぁという気持ちが募り、もう買ってから既に1年と数ヶ月経過していますが、やっと試してみることに。
ちなみにプレイするのに必要な条件は以下です
PS Portalでストリーミングゲーム(ベータ版)を利用するために必要なもの
・PlayStation Portal™ リモートプレーヤー本体
・PlayStation™Networkのアカウント
・PlayStation Plus プレミアムへの加入
・ブロードバンドインターネットへのアクセス
720pでストリーミングする場合、7Mbps以上が必要
1080pでストリーミングする場合、13Mbps以上が必要
PS Portalでストリーミングゲーム(ベータ版)をセットアップする方法
PS Portalでゲームをストリーミングする前に、以下の手順でセットアップを行う必要があります。
①ホーム画面からクイックメニューを開き、[設定]を選択します。
②[ストリーミングゲーム(ベータ版)]を選択します。
③表示された画面で[ストリーミングゲーム(ベータ版)]をオンにします。
ロック画面が表示されます。PSボタンを押すと、ロック画面が解除され、ホーム画面が表示されます。ホーム画面から、リモートプレイまたはストリーミングゲーム(ベータ版)を選択できます。
他にもさまざまな制限事項などが公式ページに書いてあるので、気になる人はチェックしてみてください
その他の機能
メニュー画面では画面右上をタップするとクイックメニューが開き、画面輝度の変更や設定などを開けます。
設定画面では、ネットワーク、システム、画面表示と明るさ、コントローラー、PS Linkデバイス、ストリーミングゲーム(ベータ版)、サインアウトと並んでいます。色々細かく設定することは不可能で、コントローラー設定も振動の強さを変えれる程度。
本体自体はAndroidベースらしい
そして実はこのハードはAndroid13ベースらしい。つまり、Androidタブレットにコントローラーをくっつけたという形容はその通りなんですよね。
しかしAndroidといってもOSは見る影もないくらいにカスタムされており、専用機として作られたものなので何もできません。なんか分かんないですが、ブラウザくらい使えたら良いのに・・・と思ったり思わなかったりします。
例えできたとしても、様々な有志の調査?によると採用されているプロセッサはSnapdragon662、こちらは2019年のミドルレンジ向けチップで、性能的には期待できませんし、ストレージも判明はしていないものの多くないとは思うのでハック的な活用も難しそうに思います。
ゲームをプレイ
ではとりあえず課金したので、とにかくゲームをプレイしてみましょう。
現在プレイできるゲームは結構豊富で、PS5用のゲームはもちろん、インディーゲームやPS1やPSPなど、過去のアーカイブ的なゲームも遊べるようになっています。色々試してみましょう。いやこれPS5では当たり前機能だろwwwみたいな事は言わないでください。持ってないので。
PS5のゲーム
試しにPS5のゲームを色々動かしてみました。例えばゴーストオブツシマ。これはずっとやってみたいなーと思っていたゲームで、まさかこんな形でプレイするとは。
そしてグラフィックがめちゃくちゃに綺麗、音質も良いし、ハプティックフィードバックによる繊細なバイブレーションの体験がめちゃくちゃ面白い。これが・・・PS5か!という気持ちで、結構アガりました。これで喜んでるの、世界一遅い気がする。
遅延に関して
意外と遅延を感じなくてすごいです。Wifi環境さえ整っていればかなりのクオリティのゲームを手元で遊ぶ事ができるという非常に気持ちの良い新鮮体験。
これまで過去に、Steamリモートプレイや、XBOXクラウドのストリーミングプレイなどは結構やっており、実際それでも同じように良いクオリティで遊べていたのですが、なんとなくそれらよりもストリーミングの安定感が強いように感じます。プラシーボかもしれませんけれども。
しかしやはりリズムゲームくらいに遅延を求められるゲームは厳しいと思いました。アクションゲームはかろうじて遊べますが、遅延にシビアなゲーム、格ゲーなども厳しいのではと思います。カジュアルに遊ぶ程度であれば十分だとは思いますけどね。
あとゲームを開始するまでの待機時間が少し長いように感じます。これは多少仕方ない問題だとは思いますが、せっかく本体側でソフトロードなしにゲームをプレイできるのだから、なんかこう、もっとサクッと始めてサクッと終われるようなゲーム体験に、今後なればいいなと思います。
アーカイブゲーム
ゲームの表示はいわゆるPSPのピクセルサイズで表示されるのではなくアップスケールされていて、くっきりとしたポリゴンで表示されます。
更にプレイ中にオプションボタンを押すことでなんと、巻き戻し・中断セーブ&ロード(20個)が可能。他にも設定から色味を変えたり、ボタン割り当てを変えられたりします。エミュじゃん。
感想
正直、PS5を持っていない人が3万円(3.5万円)で買う価値があるかと聞かれたらどうなのかは分かりませんが、PS5を持っていて、Wifi環境もしっかり整っていて、携帯ゲーム機で遊ぶのが好きな人であれば結構おすすめできます。
ハプティックフィードバックや良いスピーカー音質、良いディスプレイと、ゲーム体験としてはかなり高水準に作られていて、流石だなと思いました。
逆に言うと、シビアなアクションゲーム格闘ゲームやリズムゲームをやりたかったり、そもそもゲームはテレビで遊びたい人、少しでも予算を抑えたい人にはお勧めできません。当たり前ですが・・・。
そしてクラウドストリーミングに対応したおかげで、PS5を持っていなくて、という人でも、意外と合う人は居るかもしれない、と思いました。とにかくなんでもいいから最新ゲームを遊びたい、クラウドゲームで遊びたいゲームがたまたまある、Wifi環境は整っている、携帯ゲーム機が大好き、という私のような人間にとっては、3.5万円+月額でなんとなくPS5体験ができてしまう、割とお得なサービス(?)のようにも感じます。
ゲームはストリーミングで遊ぶもの!という時代にいずれはなってくるんだろうな、と感じさせられ、またもや先取りしすぎているハードなんじゃないか、これ。と思いました。