最近はゲーミングUMPC、つまりWindows搭載の携帯ゲーム機の戦国時代で、次々と新しいメーカーが出現し、天下取りに励んでいます。
AOKZOEも新しいメーカーで、我先にとハイエンドなCPUを搭載し、携帯ゲーム機としては異次元のグラフィックでゲームを遊べるようになっていて驚きました。
今回はAOKZOEさんに試作機をお借りしたので、実際に使ってみた所感をメインでお送りします。
販売ストア
IGGにて5月30日まで購入可能です。RAM32G + ストレージ512GBのモデルが799ドルから。
動画版
スペック&主な特徴
AOKZOE A1Proとは
AOKZOE A1Proは、AOKZOE A1の見た目そのままCPUをアップグレードしたモデルで、以下のような特徴があります。
・高性能なプロセッサーとグラフィックス: AMD Ryzen™ 7 7840UプロセッサーとRDNA3アーキテクチャーを採用したAMD Radeon780Mグラフィックスを搭載しています。これにより、より重いゲームがスムーズに動きます。
・大容量ストレージと高速メモリ: 最大2TBまでのM.2 2280 PCIe 4.0*4ソリッドステートドライブと、6400MHzの周波数のLPDDR5Xメモリを採用。これにより、大量のゲームやデータを保存し、高速にアクセスすることが可能です。
・クリアなディスプレイ: 8インチのWUXGA(1920×1200)IPSディスプレイを採用。大画面で高解像度で鮮やかな色彩の映像を体験できます。
・長持ちするバッテリー: 65Whのバッテリーを採用し、100W GaN PD急速充電に対応しています。これにより、長時間のプレイが可能で、充電も速いです。
以上の特徴により、AOKZOE A1Proは、ハイエンドなゲーム体験を楽しめる携帯ゲーム機となっています。
AOKZOE A1Proのスペック
名称 | AOKZOE A1Pro |
プロセッサ | AMD Ryzen™ 7 7840U (8コア / 16スレッド、3.3GHz-5.1GHz) |
グラフィック | AMD Radeon780M (12CU、768SP、表示周波数2700MHz) |
メモリ | LPDDR5X (6400MHz) |
ストレージ | M.2 2280 PCIe 4.0*4 SSD (512TB、1TB、2TB) |
ディスプレイ | 8インチWUXGA IPSディスプレイ (解像度1920×1200、輝度350、画素密度283PPI) |
バッテリー | 65wh、重量729g、100W GaN PD急速充電 |
モーションセンサー | 3回転ジャイロセンサーと3軸加速度センサー |
ジョイスティック | ホール効果採用ジョイスティック |
スピーカー | ステレオスピーカー2つ |
インターフェース | USB Type-C 4.0ポート2つ、USB Type-A 3.0ポート1つ |
放熱システム | PCグレードの高速ファン、純アルミ製の冷却フィンと純銅製の冷却パイプ |
デザイン | エルゴノミクスデザインとキックスタンド |
ワイヤレス接続 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
RGBライト | 左右対称のRGBブリージングライト |
その他の機能 | リニアトリガーキーストローク、立体音響効果 |
カラーはクォンタムブルーとルナーホワイトの二種類。今回貸していただいたのはクォンタムブルーです。
開封&内容物
早速開封をしていきます
▲箱は非常にラグジュアリーなデザインで、レザーのような質感の黒に、金属感のあるAOKZOEの印字、特徴的なLEDの形状が描かれています。
内容物は説明書類、USBCケーブル、充電器、本体です。
充電はPD 65W以上であれば、市販のものでも可能です。
本体外観
※本端末はあくまで試作機なので、本記事で書いた内容とは変わる可能性があります。
マットなつや消しシェル、ブルーはほぼ黒
▲まず外装について。質感はサラサラとしたマットなつや消し。上品な触り心地ではありますが、指紋が残る感じがあります。
クォンタムブルーという名称ではありますが、印象としてはほぼ黒です。若干の青、そして紺色のボタンとの組み合わせで、言われれば青っぽいかな?と感じる程度。ブルーではなく、黒だと思っておいた方が良いかと。
スタンダードなXBOXボタン配置
▲画面側はこのようになっていて、基板のようなものがプリントされたデザイン、ABXYボタンの配色と文字のグラフィック、LEDライトが特徴的です。
ボタンは基本的に馴染みの深いXBOXコントローラーの配置で
右側にスタートボタン、ABXYボタン、アナログスティック、キーボードボタン、AOKZOEプレイヤーセンターボタン。
左側にはバックボタン、アナログスティック、十字キー、ホームボタン。
翼のようなファン
▲角ばった雰囲気に反して、背面のグリップ部分はしっかりと持てるようにアルゴリズミックデザインとなっています。
また翼のようなファン給気口のデザイン、金属製のスタンドがついているのも特徴的です。
▲上側面には左からLBLTボタン、電源ボタン、ボリュームボタン、イヤホンジャック、USB-C、USB-A、ファン排気口、RBRTボタン。
下側面にはUSB-C、MicroSDスロットがあります。
上下にUSB-Cが搭載されていて、どちらからでも充電できるのは良いポイントですね。
▲左右の側面にはなにもありません。
SteamDeckと比較
▲スチームデックと比較してみるとこのようになります。並べてみると青っぽさが分かりますね。
サイズ感としては同等と感じます。横幅はSteamDeckよりも小さいですが、画面部分の厚みはSteamDeckよりも大きい。
重量的には実測値で
AOKZOE A1Pro 7:730g
SteamDeck:690g
とSteamDeckよりも40g大きいですが、体感的には違いありません。
操作感
▲しっかりとグリップがあるので持ちやすく、しっかり握れて重量を感じにくい作りになっています。
▲ボタンは上の方ににまとまっているのでバランスが良いです。上部にあるABXYボタン、アナログスティックは指先で使い、下にあるアナログスティックと十字キーは指の関節部分で操作するような感覚でしょうか。
▲ボタンは大きめで、光沢感があるので指馴染みが良いですが、押し心地としては若干軽めです。
▲アナログスティックはあまり見たことがない形状ではありますが、使い勝手としてはJoy-Conのような雰囲気。サイズは同等、フチが出っ張っているデザインも同等です。
差異としては、ホールセンサーが搭載されているので、勝手に入力されてしまうドリフトのような故障が起きにくいのが特徴的です。
▲十字キーもXBOXコントローラーライクな、面で押すものとなっていますが、押し心地は軽く、音も軽い。軸感も弱く、リニアにぐるっと一周出来てしまうので、どこを押しているのか正直分かり辛いです。
他には、スタートボタン等のファンクションキーは硬めで音が大きいカチカチと鳴るものです。
▲ショルダーボタンはカーブが手に馴染む形状で良く、トリガーボタンは押し込みの大きさに対応するものとなっています。
画面・スピーカー
▲本端末最大の特徴の一つだと感じるのが、ディスプレイです。ベゼル小さめで8インチの画面はかなり没入感があり、CPUも強いことからかなり大迫力なゲーム体験が可能です。
▲縦横比が16:9ではなく16:10なので、SteamDeckのサイズそのまま画面を大きくしたような印象なんですよね。とにかく画面がデカい。
▲スピーカーもSteamDeckとまではいきませんが、なかなか奮闘していて良いと感じます。
中音域大きめでしっかりと音量が出る、画面側に付いていて、指に干渉しないつくりとなっているのでダイナミックなサウンドです。
使用感
グラがえげつない
▲とにかくグラフィックがえげつなくて驚きました。え?これ本当にこの端末で動いてるの・・・?って疑ってしまうほど。未来を感じる、まさに次世代って雰囲気の遊び心地です。
最大28Wで遊べるので、レイトレ等のゲーミングPCでもハイエンドなものでなければ動かないような設定で無い限り、大体のゲームは高画質設定で遊ぶことが可能です。
ファンのぶん回し
しかも冷却性能がかなり高く、28Wで遊び続けてやっと温かいかな?くらいの発熱で、結構冷えています。本体の厚みがかなり大きい理由はここですね。
個人的にハードは薄ければ薄いほど好きなんですが、ハイエンドを目指せば目指すほど切り離せない関係にあると実感しました。
Windowsとして
▲本端末はWindows11が搭載されていて、Windowsに対応しているゲームであれば基本的になんでも遊ぶことができます。
覇権プラットフォームのSteam、無料配布が多いEpic、サブスクで遊び放題なXBOXと、遊ぶ選択肢はかなり多くあります。他にもMODを入れて遊んだりするのも。
ただこの端末に限らず、CPUとの相性やコントローラー設定など、細かなハードルがいくつも有るので、PCゲームに慣れている、もしくは頑張って設定してでもやりたい意志を持つ必要があります。
SteamアプリでSteamDeckライクに
▲最近、SteamのBigPictureモードはこのように、SteamDeckと同じレイアウトデザインになったので、あたかもSteamDeckのように使うことができます。
Steamを経由するメリットとしては、基本的にボタンで操作できる、コントローラー設定が容易といった理由で私は好きです。
他にもAOKZOE純正のアプリ『OneXConsole』がプリインストールされています。
キーボードボタンは必須
▲Windowsという性質上、どうしても随時キーボード操作が必要となってくるので、キーボードボタンは多用します。
インターフェイスが豊富で良い
▲USB-Cが2つ、USB-Aが搭載されているので多様な使い方を想定できます。インターフェイスの数的には非常にちょうど良いと感じます。あったら嬉しい、が有る感じ。
地味に便利なのが上下にあるUSB-C端子。上からも下からも充電が可能です。
柔軟に変更できるサイドバー
▲OneXConsoleが起動した状態で右下のボタンを押すと、このようなサイドバーが立ち上がり、こちらからTDP、解像度などの変更が可能です。
感想
正直、ハードとして気になる点はいくつかありましたが、ここまでパワフルで大画面なゲーム機ははじめて触ったので、性能特化型のまさに次世代機!といった印象で興奮しました。
より高い性能、より高いグラフィックとそれに見合うディスプレイは、これまで遊んできたゲームが別もののように感じます。
同じゲームタイトルでもハードを変えるだけで、違うゲーム体験として遊べるのはPCゲームの最大の特徴ですよね。
最先端を体験できる良い機会でした。