とうとうSteamの家庭用ゲーム機が出ました。ValveのSteam Machine。
SteamOSを積んだ据え置き機で、手持ちのSteamライブラリをテレビの大画面でそのまま遊べるのが最大の特徴。Zen 4の6コア12スレッドとRDNA3の28CUを積み、Steam Deckの約6倍の性能をうたっています。日本での取り扱いはKOMODO STATIONで、今回は発売日に2TBモデルを購入しました。
中身はPCなのに、使い勝手はゲーム機そのもの。価格には正直不満がありますが、私にとってはかなり満足度の高い1台です。
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Steam Machine
構成は4つあります。512GBモデルが189,980円、512GBにSteamコントローラーが付く構成が204,980円、2TBモデルが249,980円、2TBにSteamコントローラーが付く構成が264,980円。購入時には価格と販売状況を確認してください。
私が選んだのはコントローラーなしの構成。Steamコントローラーは別で購入済みでした。
512GBモデルは販売開始からすぐに品切れになってしまいました。そもそも販売開始が突然だったので、本当に勘弁してくださいよという気持ち。
動画版
スペック&主な特徴
| CPU | セミカスタムAMD Zen 4 6コア12スレッド(最大4.8GHz・TDP 30W) |
| GPU | セミカスタムAMD RDNA3 28CU(最大持続クロック2.45GHz・TDP 110W) |
| メモリ | 16GB DDR5+8GB GDDR6 VRAM |
| ストレージ | 512GB/2TB NVMe SSD(どちらのモデルにも高速microSDカードスロットを搭載) |
| 映像出力 | DisplayPort 1.4(最大4K@240Hz・8K@60Hz/HDR・FreeSync・デイジーチェーン対応)、HDMI 2.0(最大4K@120Hz/HDR・FreeSync・CEC対応) |
| USB | 前面:USB-A 3.2 Gen 1×2/背面:USB-A 2.0×2、USB-C 3.2 Gen 2×1 |
| 有線LAN | ギガビットイーサネット |
| 無線 | 2×2 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3(専用アンテナ)、2.4GHz帯のSteamコントローラー用ワイヤレスアダプター内蔵 |
| LED | 個別に制御できるRGB LED×17 |
| 電源 | 内蔵電源(AC 110-240V) |
| OS | SteamOS 3(Archベース)/デスクトップモードはKDE Plasma |
| 本体サイズ | 幅156×奥行き162.4×高さ152mm(脚を除くと高さ148mm) |
| 重量 | 2.6kg |
Steam Machineとは
Steam MachineはValveが作った据え置き型のゲーム機です。中身はx86のPCで、テレビやモニターにつないでSteamのライブラリをそのままリビングやデスクで遊ぶための1台。なお、Valve自身は家庭用ゲーム機ではなく、PCゲーミングの延長という位置づけにしています。
CPUはセミカスタムのAMD Zen 4で、6コア12スレッド。最大4.8GHzで動き、TDPは30Wです。GPUはセミカスタムのAMD RDNA3で28CU、最大持続クロックは2.45GHz、こちらのTDPは110W。携帯機と違って、CPUとGPUがそれぞれ別の電力枠を持っています。
メモリは16GBのDDR5に、GPU専用の8GB GDDR6が加わる構成。ストレージは512GBと2TBのNVMe SSDから選ぶ形で、どちらのモデルにも高速microSDカードスロットが付きます。容量が足りなくなったときにカードで足せるのは、据え置き機としてはありがたいですね。
映像出力はDisplayPort 1.4とHDMI 2.0の2系統。DisplayPortは最大4K・240Hz、あるいは8K・60Hzまで対応し、HDRとFreeSync、デイジーチェーンにも対応します。HDMIのほうは最大4K・120Hzで、HDRとFreeSyncに加えてCECにも対応しているので、テレビと電源を連動できます。
通信まわりは2×2のWi-Fi 6Eと、専用アンテナを持つBluetooth 5.3。さらに2.4GHz帯のSteamコントローラー用ワイヤレスアダプターが本体に内蔵されています。有線はギガビットイーサネット。USBは前面にUSB-A 3.2 Gen 1が2つ、背面にUSB-A 2.0が2つとUSB-C 3.2 Gen 2が1つという配分です。
個別に色を指定できるRGB LEDが17個入っていて、システムの状態表示と見た目のカスタマイズを兼ねます。
OSはArchベースのSteamOS 3。デスクトップモードに切り替えるとKDE Plasmaになり、普通のLinuxデスクトップとして使えます。
開封&内容物
購入してから開封までは、少し時間が空いてしまいました。
届いたのは無地のダンボール。側面には精密機器と重量物の注意表示。
天面には透明なパウチが貼り付けてあり、中にSteam Machineのご案内という日本語の紙が入っています。内容は付属電源ケーブルについての注意で、必ず付属の専用電源ケーブルを使うこと、付属品以外を使って故障やトラブルが起きた場合は保証の対象外になることが書かれています。開ける前にまずこれを読ませる作りです。

外箱を開けると、クラフト地にSTEAM MACHINEのロゴが入った製品箱が現れます。紙のベルトを引き上げて取り出す構造。箱を開くと本体は黒い不織布に包まれた状態で、ほかに電源ケーブルと、規制情報の小冊子が入っていました。


もう1つ、Faceplateと書かれた平たい箱も同梱。中身は付け替え用の前面パネルです。
本体外観
ファーストインプレッション

表面はつるっとした光沢ではなく、細かい目のあるマットな仕上げ。真上から見ると、天面いっぱいにその質感が広がります。角はきっちり立っていて、飾り気のない箱という言葉がそのまま当てはまる見た目。

実際に触ってみると、普通にざらっとした、いかにもプラスチックの手触り。特段高級感があるわけではありません。背面だけは金属プレートになっています。
重量は2.6kgで、このサイズにしてはかなり重め。持ち運んだり、部屋から部屋へぱっと移動させたりするような製品ではなさそうです。
インターフェイス

前面は下寄りに端子がまとまっています。左からUSB-Aが2つ、microSDカードスロット、小さなLEDインジケーター、そして右端に丸い電源ボタン。

フロントパネルと下の端子の間にはLEDストリップがあって、電源が入るとここが光ります。ついているかどうかがひと目で分かって便利。

背面はほぼ全面がファンです。大きなファンの中央にVALVEのロゴが入っていて、その周囲をハニカム状のグリルが囲んでいます。端子は下側にまとまっていて、DisplayPort、HDMI、2ピンのAC電源インレット、有線LANのRJ45、USB-C、USB-Aが2つ。
電源は本体に内蔵で、ACアダプターの弁当箱がありません。ミニPCだと本体は小さいのに別体のACアダプターが大きくて、結局そちらに場所を取られることがよくあります。当たり前といえば当たり前なんですけど、この弁当箱がないのは地味にかなり大きいポイントです。

左右の側面には端子も穴もなく、完全にフラット。底面はハニカムの吸気グリルで、四隅にゴム足。

地味にユニークなのがこのフロントパネル。マグネットで付いているので簡単に外せます。外した下はメッシュになっていて、中身がうっすら見える作り。PCのケースを開けたときのような雰囲気です。

正直なくても困らない機能ですが、こういう遊び心は大事ですよね。同梱の替えパネルもあるので、気が向いたら交換して遊ぶつもりです。交換用のフロントパネルは他社からも出てくるみたいなので、そこはちょっとだけ楽しみ。
他ハードとの比較
サイズ感は、まあこんなもんかなという印象。いわゆるミニPCよりはひと回り大きいくらいです。感覚的にはMac mini 2段ぶんくらいかなと思っていましたが、現行のMac miniは幅と奥行きが12.7cm、高さが5.0cm。高さで比べるとMac mini 3段ぶんに近く、設置面積もMac miniより広めです。
PS5がとにかく大きいので、それと比べると本当に小さく感じます。ただ、これが特段小さいかと言われると、正直よく分からないんですよね。

見た目はもう完全にゲームキューブ。現代に蘇ったゲームキューブです。ゲームキューブ本体は幅150mm、高さ110mm、奥行き161mm。設置面積はほぼ同じですが、高さは152mmと110mmで、Steam Machineのほうが4cmほど背が高くなっています。ただ、ゲームキューブと違って取っ手はないので、DIYで頑張って付けたいなと思っています。
使用感
初期セットアップ
電源を入れると、まず言語の選択から始まります。ずらりと並ぶ言語リストから日本語を選ぶと、そのあとの案内はすべて日本語。SteamOSのロゴが出て、セットアップウィザードに進みます。

ウィザードで最初に出てくるのは、コントローラーの接続案内です。キーボードとマウス、ワイヤレスコントローラー、有線コントローラーの3通りが図で示されていて、どれでも先に進めます。画面の左下にはQRコードが常に表示されていて、読み込むとs.team/machineのヘルプに飛べる仕掛け。

Steamコントローラーを使う場合は、USBケーブルで本体前面のUSB-Aポートにつなぐとペアリングが始まります。つないだ瞬間にコントローラー側のLEDが緑に点灯。続けてファームウェアの更新が走ります。
そのあとは画面サイズの調整です。四隅が画面からはみ出していないかを見ながら表示領域を広げたり縮めたりする、テレビ接続でおなじみのオーバースキャン調整。最後はSteamアカウントへのログイン。アカウント名とパスワードのほかに、スマートフォンのSteamアプリでQRコードを読む方法も選べます。ログインが済めば、セットアップは完了です。
セットアップで特に気をつけることはありません。自分の体感では、Windows PCのように延々とアップデートが続くこともなく、1回アップデートがあるくらいで、割とあっさり終わりました。ここも結構いいポイント。

それより焦ったのが、Steam Controller Puckが一瞬どこに行ったか分からなくなったこと。充電台とワイヤレスレシーバーを1台で兼ねる大事なパーツなので、見当たらなくてうわーってなりました。ただ、Steam Machineには受信機が内蔵されているので、本体との無線接続にPuckは必要ありません。
SteamOSのホーム画面

セットアップを抜けると、SteamOSのホーム画面が出てきます。SteamOSはLinuxベースのSteam専用OSで、ホーム画面のビジュアルはPC版SteamのBig Pictureモードと同じもの。
いつも見ている画面そのものなので、私にとっては実家のような安心感。正直、見た目についてはそれ以上特に言うことがありません。
メニューは完全にコントローラーだけで操作できます。ライブラリを開いてタイトルを選び、そのままインストールして起動するところまでマウスに触れる必要はありません。

私がいちばんありがたいと感じているのは、Steamコントローラーの電源ボタンを押すだけで本体がウェイクアップすること。遊ぶまでのハードルがぐっと下がるので、ここは本当に優秀です。
Steamコントローラー自体も使いやすく、Puckも含めて便利です。
Steam Cloud対応タイトルでは、クラウド同期を有効にしておけばPCとセーブデータを共有できます。
ゲームをプレイ
いろいろ試しながらレビューを書いてきましたが、最初は起動しないタイトルもありました。ただ、設定を変えたら起動しました。私の場合はGhostwire: Tokyoがそれです。テレビで4K・60fpsくらいで遊んでいて、特に問題は感じていません。もっとfpsを上げるとしんどい場面はあるかもしれませんが、そこはまだ試していません。そもそも私はそこまで要求の高いゲームはやらないので、これで十分かなという感じです。

ただ、快適に動くこと自体に特別な感動まではありませんでした。
それより驚いたのがSSDの読み込みの速さ。サイバーパンク2077も一瞬で立ち上がるので、ちゃんと速いSSDを使っているんだなと感じました。そのサイバーパンク2077も、FHDにすれば最高画質でほぼ60fpsに張り付く感覚です。ゲームのダウンロードもあっという間に終わるのが普通にうれしいです。

PS5/PS5 Proとの性能比較
| Steam Machine | PS5 | PS5 Pro | |
| CPU | Zen 4 6コア12スレッド(最大4.8GHz) | Zen 2 8コア16スレッド(最大3.5GHz) | - |
| GPU | RDNA3 28CU(最大持続2.45GHz) | RDNA 2ベース(最大2.23GHz・10.3TFLOPS) | PS5比でCU数67%増・レンダリング最大45%高速 |
| メモリ | 16GB DDR5+8GB GDDR6 | GDDR6 16GB | GPUメモリがPS5比28%高速 |
| 価格(税込) | 189,980円から | 97,980円 | 137,980円 |
Steam MachineとPS5はGPUの世代もクロックも違うので、表の数字だけではどちらが上とも言い切れません。PS5 ProはPS5からGPUを大きく強化したモデルです。表のCU数やレンダリング速度、GPUメモリの向上率は、いずれもPS5との比較。Steam Machineとの実ゲーム性能の優劣は、この表だけでは判断できません。価格はSteam Machineの512GB本体と比べると、PS5 Proのほうが52,000円安くなっています。
発熱・動作音・スリープ
冷却は、底面のハニカムから吸って背面の大型ファンで抜く一方通行。テレビ台に置くなら、収まるかどうかは寸法よりも背面の排気に必要な余白で決まりそうです。

実際に使ってみると、動作音は本当にしません。熱もまあこれくらいかなという程度で、特段気にならないレベル。よくできています。
電源の立ち上がりやスリープからの復帰がかなり速く、この快適さは個人的にはWindowsでは味わえないもの。SteamOSは素晴らしいなと思います。
感想
私にとってSteam Machineは、テレビの大画面で遊ぶための専用機。いちばんのメリットは、やっぱりSteamのライブラリとつながっていることです。PCやSteam Deckをテレビにつなぐこともできますが、PCをつなぐと結局マウスが欲しくなったりと、何かと手間がかかります。
SwitchやPS5で遊べばいいじゃん、という意見ももっともです。ただ私はSteam Deckを買ってから、任天堂の独占タイトルを除いて、マルチプラットフォームの作品はSteamで買うようになりました。今からPS5で買い直すのは、手間もお金もかかる話。
コンシューマー機で遊ぶ人が多い日本では特にニッチなゲーム機だと思いますが、少なくとも私は間違いなく助かっています。
スペックがそこそこ高いのはうれしいところ。ただ、画面もコントローラーも一体になっている携帯機と比べると、そのありがたみは少し薄めです。
それに、価格は高すぎます。Valveもこうしたかったわけではないと思いますし、スマホもゲーム機もPCも今はなんでもとんでもなく高くなっているので、Steam Machineだけを責めるのは酷な話。ただ、Steam Machineには純正品の良さがしっかり感じられて、値段以外はまったく不満なし。個人的には完璧だと思っています。
全体としては、たぶんPS5より遊ぶことになりそうです。最近は時間が経つほど値段が上がっていくので、高いけど、早く買えば買うほどお得です。
Steam Machine