ValveがSteam Frame向けに用意したARM版SteamOSを、Android携帯ゲーム機で動かす有志の移植版がGitHubで相次いで公開されています。AYN Odin 2向けの「SteamOS-ARM-SM8550」と、KONKR Pocket FIT向けの「SteamOS-ARM-SM8650」の2つ。どちらもValveの公式プロジェクトではなく、個人の開発者によるものです。
Retro Handheldsによると、ValveがSteam Frame向けのARM版SteamOSを公開してから数日で、これらの移植版が登場したとのこと。AYN Odin 3向けの「Holodor」も開発が進められています。
Android携帯ゲーム機向けSteamOS移植版でわかっていること
- SteamOS-ARM-SM8550:9月23日にv1.0を公開。動作確認はAYN Odin 2で、同じSnapdragon 8 Gen 2(SM8550)を載せたAYN、AYANEO、Retroidの端末も対象機種に挙がる(多くは未検証)
- SteamOS-ARM-SM8650:9月25日にv1.0、9月26日にv1.1を公開。Snapdragon 8 Gen 3搭載のKONKR Pocket FIT向け
- Holodor:AYN Odin 3向けに開発中。9月26日時点でダウンロードできるイメージは未公開
- ベース:Steam Frame向けのARM版SteamOS(ユーザー空間)+ROCKNIX系のカーネル
- 導入:ROCKNIX ABLを書き込み、microSDカードから起動
- できること:ゲームモード、KDE Plasmaのデスクトップモード。SM8650版はFEXによるx86ゲームの実行にも対応
AYN Odin 2やKONKR Pocket FITでSteamOSが起動

先に公開されたのは、MaSieS4Fun氏による「SteamOS-ARM-SM8550」です。動作確認はAYN Odin 2で行われ、AYN Odin 2 Portal、Odin 2 Mini、AYN Thor、AYANEO Pocket EVO/ACE/DS/DMG/S 2Kも対応機種として挙げられています。ただしこれらは未検証の扱いで、Retroid Pocket 6は一部に問題ありとされています。初回起動には2〜3分かかるとのこと。
続いて登場したのが、hashtagbasit氏による「SteamOS-ARM-SM8650」。SteamOS-ARM-SM8550とROCKNIXのカーネルをベースに、KONKR Pocket FITのSnapdragon 8 Gen 3搭載モデル向けに作られています。Steam Frameと同じチップのため、Valveのグラフィックスドライバーがそのまま動くと説明。動作確認は開発者のPocket FITのみで、AYANEO Pocket S2向けのデバイスツリーも用意されているものの、起動の報告はまだありません。
SM8650版では、ゲームモードとデスクトップモード、Steamストアからのダウンロード、FEXによるx86ゲームの実行、ARM64版Protonなどが動作するとされています。スタンバイ時の消費電力を抑える調整や、ファン制御の改善も加えられているとのこと。導入にはROCKNIX ABL 1.1.8以降が必要です。
Armadaチームは方針を大きく変えない考え
Android携帯ゲーム機向けには、以前からSteamOS風のLinuxディストリビューション「ArmadaOS」も開発されています。Retro Handheldsによると、Armadaチームは公式Discordで、今回の移植版はSteam Frameのユーザー空間をもとにしたもので、ValveのカーネルはSteam Frame以外に対応していないため、それぞれ独自のカーネルを使っていると説明しました。
Armadaチームは、Steam Frame版のSteamOSによって、これまでできなかったことが新たにできるようになるわけではないとの見方も示しています。今後はSteam Frameに合わせる部分を一部取り入れつつ、対応機種の拡大や省電力スリープ、エミュレーションなど、これまでの方向性で開発を続けるとしています。
情報源:SteamOS-ARM-SM8550(GitHub)、SteamOS-ARM-SM8650(GitHub)、Holodor(GitHub)、Retro Handhelds。2026年9月26日時点。