Y2Kというゲームがある。2019年にプレイしたゲームの中で一番余韻が残ったゲームだったので、記録しておこうと思います。細かな事はwikipediaを読んで貰えれば分かるとは思いますので、そちらを参照してください。考察とかは、しません。ネタバレもしません。何が良かったかだけを書きます。

何が魅力か
とにかくグラフィックとサウンドが最高。BGMが良いゲームはどんなにクソであっても良いゲームに見えてしまう、という持論がある。

↑bandcampにサントラが有る。勿論買っている。
64で発売する予定だったマザー3を徹底的にイメージして作ったらしいが、確かに、このローポリ感、キッチュなフィールド、そして少し変で、愛らしい気味の悪いキャラクター達はかなり良い。例えば最初に出てくる敵キャラのスマイル、一体これは何がモチーフで、何と戦っているのか全く分からない。しかも攻撃する武器もレコードだし。物を大切にしろ。
久しぶりにワクワクしながら始めたゲーム
最初にゲームを進めていったとき、久しぶりにワクワクした。ポスト・モダンだ!すごい!と言ってしまった。騙された気がする。けれど比較的どこを切り取っても綺麗で、不思議で、気味が悪くて楽しい。全部褒め言葉です。
ストーリーも、消えた少女を追いかける、謎に迫るニートやその友達、といった感じで序盤はかなり引き込まれる。主人公も冴えない髭面で、こじらせた結果大学卒業後就職できず、就活しなきゃ!とか言っているのも凄く今っぽいしインディーっぽい。
愛着が持てないキャラクター
不満点はあります。凄く。例えば先程主人公今っぽいとか言いましたが、キャラクターデザイン的にはどうなの?って感じはします。
ダラダラ喋り続ける髭面の主人公は正直、全然愛着は持てない。文化の違いもあるのかもしれないけれど、そういうことではないような気がするなーと。あえて没個性的な、冴えない主人公にすることで?ゲームの趣旨とすり合わせようとしている、と深読みすることもできますが、僕個人的には、キャラクターの魅力あるからこそ感情移入できて、ゲームをより優位に立たせるのではないかと。
戦闘システムの粗さ
あとは戦闘システムが雑。これは各所で散々言われているので簡単に言いますが、ミニゲームで攻撃が進むことによるテンポの悪さ、レベルアップしても全然強くならない、戦略性も何も無くパワーでのゴリ押し等、とにかく壊滅的。ゲームである以上ここはしっかりと作らないと、本当に良くないと思いました。すすめる気が削がれる。FF〇〇なんて戦闘が面白いから進められる。
他にもやりたいことを詰め込みすぎ、プレイヤーを置いてけぼりにしすぎ、などと言われていますし、僕もそう思います。が、そこらへんはとにかくゲーム、サブカルチャーが好きなんだな、と思って愛着が持てます。戦闘の雑さは本当にだめ。
ぼくが作った最強のRPG、といった展開
やりたいこと詰め込み過ぎでプレイヤー置いてけぼりにしすぎと言いましたが、それは十分に最高だと思いました。
このゲームでは敵と戦って経験値を手に入れても、自分の精神世界に入り込み、レベルアップする作業が必要になります。それを少しずつ繰り返していき、飛躍に次ぐ飛躍、中二病的展開、シナリオとしてのバランスを失っていくことが、精神世界と連動していて、結果プレイヤーは置いてけぼりを食らう。それは正しい受容の仕方で、こういった体験を受容できるのはゲームの強みだな、とも思いました。
あまり関係ないですが、僕は何度もゲーム・オブ・スローンズを見ようとしましたが、登場人物の多さや用語の分からなさで途中からついていけなくなり挫折しています。そういった置いてけぼりではないです。
伝説になろうとしたゲーム
トータルでの完成度で言うと、undertaleとか、motherとか他の有名ゲームとは全然勝てないとは思いますが、もう一つエンディングが有るよってデマを囁いてみたり、バグのようなイベントを仕込んでみたり、急にゲーム性が変わってみたり、とにかくゲーム愛に溢れた、伝説になろうとしたこの作品は、ただのゲームとして評価され、記憶から消えてしまうのはあまりにも勿体ないと思いました。戦闘さえ良ければ、もっと推せるんだけどな…。
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