神様の主人公のもとに、人々の願いが込められた手紙が届く。その願いを叶えていくゲームで、基本的には428のように、様々な視点でいろんな物語を経験していく群像劇のような、ノベルゲームです。中国発。
バリエーション豊かな群像劇
手紙の内容は先生と女子生徒の恋愛、熱く燃える新人警察官、女子生徒のストーカーだったと思いきや事件に巻き込まれて死にかけたりなど…登場キャラクターが多く、バリエーションが豊か。更に怒涛の展開が多く、かなりの密度で構成されているので、テンポよく進められる。
ただこのゲームの分岐は選択肢では無く、手紙の内容を入れ替えることによって未来が変わっていく、変わったシステムを採用しています。
例えば2つの選択肢を組み替えると、
・照明が消えてからテニスコートを離れる
から
・テニスコートから離れてから照明が消える
となります。意味や起こった場所が変わってきますよね。こうして展開を変えながら進めていきます。
人を選ぶかもしれないが、一つ一つの物語が濃い
じっくりやったら15時間位はかかるので値段にしてはボリューミーでした。後半になるに連れて、主人公(神様)の正体は何なのか、何故人々の願いを叶え続けなければいけないのか等、明らかになっていく様は快感。
手紙の中の物語も結構強引な展開も多々ありましたが基本的には丁寧に作られていて、とにかく濃密な体験でした。が、残酷描写と鬱展開は結構多いのでそこらへんは人を選ぶかもしれません。
複雑に絡み合って構成されているわけではない
このゲームは428のように一つの目的に向かって様々な人物の視点で描かれていき、それを見ることができるわけではなく、基本的には個人個人で完結する群像劇として作られています。
それぞれの人物が一つの物語の軸にそって複雑に構成されるわけでは無いので、その要素と、入れ替える手紙同士の関係性をうまく付けられたらぐんと面白くなっていたかもしれないです。
まぁでもそうすると手紙の整合性とそれに伴う後の展開の変化の調整がかなり大変そうだし、ユーザーとして理解するのにも作る側として構成するのにも難しくなりすぎるのかもしれませんね。
あと僕が馬鹿なだけかもしれませんが、時間軸の関係性はうまくいっているのかよく分かりませんでした。
結局総当りで進めることになるが、最後まで進めてほしい
手紙を入れ替えて進めていくのは、かなり新しい試みをしようとしていて好感度は高いけれども、総当りで全パターンを試す感じにするしか無くなってくるので、そこはちょっと残念でした。僕が馬鹿なだけかもしれませんが。
ただ何も見ずに、調べずに最後までプレイして、欲しいゲームです。
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